オンライン英会話のホームページを見ていて「当スクールの売りはネット回線の良さです」とか、「最先端のオフィスから光回線でサービスを提供」という言葉を目にすることがあります。英会話スクールなのに、ネット回線が売りなの?と少し不思議に思いますよね。そんなに気にしなければいけないことなのでしょうか。
通信環境は国によって異なる
日本は世界の中でもトップクラスに通信環境がよい国なので、一般の家庭でも高速インターネット回線が引かれていて、動画も普通に見ることができます。この状況が当たり前になってしまっていると気づきにくいのですが、世界にはまだまだ通信網が整備されていない国が多く、ビデオ通話はおろか、音声通話ですら困難な国が多いのです。
オンライン英会話スクールの本部が多く置かれているフィリピンも同じような状況です。セブ、マニラ、ダバオなどの都市部、中でもオフィス街は通信環境がよいのですが、地方に行くと通信環境はあまりよくありません。速度が遅く、ビデオ通話や音声通話に耐えられないので、ぷつぷつと途切れてしまいます。村によっては通信環境がまったくないところもあります。
レッスンへの影響
こういった地方に本部を置くスクールは、賃料や人件費などの諸経費が安いのでレッスン料も安く設定されているのですが、回線が不安定なのでレッスンが途切れたり、ひどいときにはレッスンが始められずに中止になってしまう場合もあります。
レッスンが途切れてしまうこともかなりストレスですが、さらにレッスンのやり直しができないということもあり得ます。たとえば音声通話でレッスンをしていたら、通話が途切れてしまったとしましょう。スカイプには文字をやり取りするチャット機能がついているので、講師がライティングの練習をしようと提案し、ライティングの練習をすることになりました。文字は音声よりもデータの量が少ないので、音声が途切れていても利用することができるのです。
この練習はあくまでトラブルに対するフォローで、今日のレッスンは次回やり直しになるのだろう、と思っていたらレッスンポイントを消費され、次回繰り越しはありませんでした。サポートに連絡してみても後の祭り。当初の契約に「音声通話ができない場合には文字チャットでフォローする」というような文言がある場合、ほとんど音声によるレッスンが受けられていないにもかかわらず、音声が途切れた状態のレッスンでも1レッスンとしてみなされてしまうのです。
通信環境を整えるのには費用がかかります。こういったトラブルも英会話を練習する素材の一つ、と思えるのであれば安価なスクールを選ぶというのもよい選択ですが、オンライン英会話初心者でサポートへ英語で連絡することができないのであれば、少し高価になったとしても講師がオフィス勤務しているスクール、またしっかりとしたネット回線のスクールを選ぶ方がストレスがかからないかもしれません。