オンライン英会話のフリートークレッスンで海外ニュースを教材にしているスクールがよくあります。たしかに、英語の勉強をするのですから、海外で実際に流れているニュースを利用するのもタメになる。そう思いますよね。しかし、海外ニュースを教材に使うのは、ただ「英語を話している動画教材だから」という理由だけではありません。海外ニュースを教材に使うと、英語だけでなくとても大事なことが学べるのです。
外国人には話好きが多い理由
外国人、特に欧米人には話好きな人がたくさんいます。知り合いだけに限らず、電車のコンパートメントに乗り合わせた人や飛行機で隣り合った席の人など、初対面の人とでもよく話をします。
元々の気質、というものもありますが、実はこれには理由があります。多様な人種・民族が混在する欧米では初対面の人と話をすることで「わたしはあなたに悪意を持っていない」というアピールになるのです。
同じ文化的土壌がある日本人は、他の人と同じ行動を取ることで「敵意がない」ということを証明しますが、欧米ではこの考え方は通じません。異なる風習・文化を持っているので、同じ行動を取ることが、同じ考えを持っている証拠にはならないのです。
そこで重要なのは「対話」。特に初対面ならば、「わたしはあなたの物を盗んだりしない」「暴力を振るうつもりはない」という証明のために、にこやかな笑顔で和やかな会話をします。日本人は言葉の壁があり、外国人の前で話をしない人が多いのですが、彼らからすると「なにを考えているのかよく分からず不気味」というように見えるようです。
もちろん話好きが皆いい人だとは限らないのですが、少なくとも仕事や学校などで知り合う初対面の外国人とは積極的に話をする方が好印象を持ってもらえることは間違いありません。
社会情勢や文化を学び、無難な会話のネタになる海外ニュース
しかし初対面の人と話をする、といってもなかなか話題に困ります。そんなときに役立つのが海外ニュースです。ニュースの話題ならば当たり障りのないものを選ぶことができます。たとえば「世界中で記録的な暖冬らしい」というニュースなんて、初対面の話題にピッタリですよね。ただし政治、宗教に関するものはNG。初対面なら避けた方が無難でしょう。
この「避けた方がいい話題かどうか」という見分け方も海外ニュースを見ているとつかめてきます。「ある国で政情不安があり、別の国と対立関係にある」という基礎知識があれば、ある国の人と別の国の人が同席している場で、政情不安に関する話題は取り上げないですみます。日本語のニュースは世界の社会情勢の一部しか取り上げていないので、外国人と話す機会が多いのならば、海外ニュースは見ておくとよいでしょう。
海外ニュースは英語の勉強になるという以上に、外国人とのコミュニケーションにおいて必須な話題づくりなので、レッスンを利用して勉強しておくと今後の役に立ちます。